コスプレ（cosplay）は、「コスチューム」（costume）と「プレイ」（play）を組み合わせた言葉で、キャラクターや有名人などの衣装を身にまとって演じる趣味や文化です。コスプレの起源は、日本のアニメ、マンガ、ゲームなどのサブカルチャーと密接に関連しています。
コスプレは1980年代に日本で始まりました。その起源は、1984年のロサンゼルス・サイエンス・フィクション・コンベンション「ワールドコン」にさかのぼります。日本の編集者である高田明が、アメリカで行われていたファンコスチューム・コンテストのようなものを見て、日本にコスプレを持ち込むことを決めました。それ以来、コスプレは日本のポップカルチャーの重要な要素となり、世界中に広がっていきました。
日本でコスプレが広まるきっかけとなったのは、1990年代に入ってからです。この時期になると、アニメ、マンガ、ゲームが急速に人気を集め始め、ファンたちがキャラクターの衣装を作り、イベントやコンベンションで披露するようになりました。コミックマーケット（コミケ）や東京ゲームショウなど、大規模なイベントではコスプレコンテストや撮影会が開催され、コスプレ文化がより広く認知されるようになりました。
近年、日本のコスプレ文化はインターネットを通じて世界中に広まり、さまざまな国や文化で独自の形を取っています。アメリカ、ヨーロッパ、東南アジアなど、世界各地でコスプレイベントやアニメコンベンションが開催されており、国際的な趣味や文化となっています。また、コスプレはファッションやアートとしても評価されるようになり、多くの人々に愛されています。
仮装との関係性
コスプレと仮装には関連性があります。どちらも、衣装を身にまとって特定のキャラクターや人物に扮する行為ですが、目的やコンテキストが異なります。
仮装は、古くからある文化で、祭りやパーティー、ハロウィンなどの特別なイベントで人々が楽しむ行為です。仮装は、特定のキャラクターや人物に扮することで、日常から離れて異なる役割や雰囲気を楽しむことを目的としています。また、仮装は宗教的、民族的、歴史的な背景を持つことが多く、様々な文化で異なる形で行われています。
一方、コスプレは、アニメやマンガ、ゲーム、映画などのキャラクターに扮し、そのキャラクターの振る舞いや外見を再現することを目的としています。コスプレは、ファンがそのキャラクターへの愛情を表現し、仲間と共有するために行われることが多いです。コスプレは主にサブカルチャーのイベントやコンベンションで行われ、自分の扮するキャラクターに関心を持つ他のファンと交流することが一般的です。
両者の違いは、仮装がより一般的な文化的・社会的なイベントで行われ、様々な年齢層や背景を持つ人々が参加するのに対し、コスプレは特定のサブカルチャーに関心を持つ人々が集まるイベントや場所で行われる点にあります。しかし、両者は、自己表現や社会的交流のために衣装を着用するという共通点を持っています。
日本の祭事 仮装行列
仮装行列は、日本の歴史において、様々な形で祭りやイベントに組み込まれてきました。祭りは古くからコミュニティの絆を深めるための重要な催し物であり、仮装行列はその一部として楽しまれてきました。日本の仮装行列は、宗教的、歴史的、または民間伝承に基づいたものが多く、地域ごとに独自の特色があります。
- 靖国神社のみたま祭り：毎年7月に開催されるみたま祭りでは、明治時代の衣装を着た参加者たちが、行列を組んで境内を練り歩きます。これは、日本の歴史と文化を讃えるとともに、亡くなった英霊を慰めることを目的としています。
- 鎌倉時代の鎌倉ゆかりの人物を讃える「鎌倉時代の武士行列」：これは鎌倉市で開催されるイベントで、武士の衣装を身にまとった人々が街を練り歩く行列が行われます。
- 京都の祇園祭：祇園祭は、日本でも有名な祭りのひとつで、平安時代に始まったとされています。祭りの中心となる「山鉾巡行」では、衣装を身にまとった人々が行列を組み、神輿や山鉾を引きながら市内を練り歩きます。
- 高山祭：この祭りは岐阜県高山市で開催され、江戸時代の様々な風俗や文化が再現されています。行列に参加する人々は、時代風俗に基づいた衣装を着用し、当時の様子を再現しています。
日本の仮装行列は、地域の歴史や文化を称え、保存するための重要な手段となっています。また、観光客にとっても魅力的なイベントであり、多くの人々がこれらの行事を楽しみにしています。
岩村の仮装行列は夏祭りに！
恵那市岩村町では例年８月の第一土曜日と日曜日に開催されるいわむら夏祭りで「大変装行列」が開催されます。50年以上の歴史と伝統を誇っており、元祖コスプレといっても良いのではないでしょうか。コロナの影響により、近年では中止になっておりますが、観光客も少しずつですが、戻ってきてるので、今年こそは復活するかもしれないですね。
